【精油学各論】

【シソ科】7種

①クラリセージ

学名 Salvia sclarea サルウィア・スクラレア

科名 シソ科

産地 フランス、モロッコ、イタリア

植物学的特徴 1m/二年草

抽出部位 花と葉

抽出部位 水蒸気蒸留法

成分 酢酸リナリル、リナロール、スクラレオール

香りの特徴 苦味のある草木の香り

主な作用 ホルモン調節作用、抗うつ作用、緩和作用、鎮静作用

付記事項 高濃度の使用で集中力低下、エストロゲン様作用。

 

 幸福感を与え、気分を明るく高め、不安を和らげる働きがあります。強い緩和作用により生理痛や筋肉痛を鎮めてくれます。また生殖器に対するホルモンバランスをとる働きで、少量月経を正常化したり、月経前の不快な症状を和らげたり、更年期障害を緩和するなど、さまざまな生殖器の不調に用いられます。また免疫力を高めるともいわれ、病後の回復期に用いられます。

 

②スイートマージョラム

学名 Origanum majorana オリガヌム・マヨラナ

科名 シソ科

産地 リビア、エジプト、スペイン、イギリス、ハンガリー、フランス、チュニジア

植物学的特徴 20~50cm/多年草

抽出部位 葉

抽出方法 水蒸気蒸留法

主な成分 テルピネン-4-オール、サビネン、P-シメン、γ-テルピネン

香りの特徴 温かみを感じさせる香り

主な作用 鎮痛作用、加温作用、血圧降下作用、強壮作用

付記事項 学名は「素敵な」「重要な」という意味がある。

 

 花や葉は料理にも使われるハーブで、古代ギリシャの時代から広く利用されてきました。ギリシャの愛の女神アフロディテから香りを与えられたと言い伝えられ、新婚夫婦の幸せを願って贈られたり、死者の魂に安らぎをもたらす弔いの植物として墓地に植えられました。温かみを感じさせる香りは、気持ちを静め、悲しみや孤独感を慰めてくれます。血管を拡げて血圧を下げ身体をリラックスさせ、不安やストレスからくる緊張を緩め、寝つきの悪さを改善します。血液の流れをよくするので、筋肉痛やリウマチ痛、腰痛や月経痛を和らげたり、ストレスによる消化器系の不調に役立ちます。一説には性欲抑制作用があるともいわれています。スパニッシュマージョラム(Thymus mastichina)はタイムの仲間から抽出されたもので、スイートマージョラム精油とは別の種類です。

 

③ペパーミント

学名 Mentha piperita メンタ・ピペリタ

科名 シソ科

産地 アメリカ、イギリス、オーストラリア、イタリア、フランス、インド、中国、スペイン、ブラジル

植物学的特徴 1m/多年草

抽出部位 葉

抽出方法 水蒸気蒸留法

主な成分 l-メントール、l-メントン、1,8シネオール、イソメントン

香りの特徴 ミントのすっきりとした香り

主な作用 鎮痛作用、冷却作用、刺激作用、健胃作用

付記事項 まれに皮膚刺激を起こすことがあるので使用量に注意。

 

ミント(ハッカ)の仲間はすっきりとした香りで古くから親しまれています。なかでも、もっともポピュラーといえるのがペパーミントで、清涼感のある香りです。頭をすっきりさせ、気分をリフレッシュします。また、胃腸系の不調にも効果があります。

 この香りは精神疲労や眠気を拭い去ってくれます。また吐き気、乗り物酔いや時差ぼけ(ジェットラグ)、頭痛、花粉症、鼻づまりに用いられます。

 

 

④メリッサ(レモンバーム)

学名 Melissa officinalis メリッサ・オフィキナリス 

科名 シソ科

産地 フランス、アイルランド、ドイツ、イギリス、エジプト、スペイン、イタリア

植物学的特徴 30~60cm/多年草

抽出部位 花と葉

抽出方法 水蒸気蒸留法

主な成分 リナロール、ゲラニオール、シトラール、シトロネラール

香りの特徴 レモンのような香り

主な作用 鎮静作用、鎮痙作用

 メリッサはレモンバームの名でも知られるハーブです。草のみずみずしさを背景にしたレモンのような香りです。フレッシュな香りは感情の起伏のバランスをとり、心を陽気に楽しくし、混乱した心を穏やかにしてくれます。また皮膚や呼吸器などのアレルギー性トラブルを改善する精油といわれており、高価な精油のひとつです。

 

⑤ラベンダー

学名 Lavandula angustifolia ラワンデュラ・アングスティフォリア/Lavandula officinalis ラワンデュラ・オフィキナリス

科名  シソ科

産地 フランス、イギリス、イタリア、ブルガリア、日本、オーストラリア

植物学的特徴 1~1.3m/多年草

抽出部位 花・葉

抽出方法 水蒸気蒸留法

主な成分 酢酸リナリル、リナロール、ラバンジュロール

香りの特徴 甘くフローラルな香り

主な作用 鎮静作用、鎮痛作用、殺菌作用、消毒作用、強壮作用、細胞成長促進作用

付記事項 学名に「洗う」「青みがかった鉛色」の意味

 

夏の北海道富良野を紫に染めるラベンダーはあまりにも有名で、アロマテラピーの精油の中でもっともいろいろな恩恵をもたらしてくれる精油といえます。原産はヨーロッパのアルプス地方にある高原地帯です。有益な植物なので、イギリス人の手によって、イギリス国内やオーストラリアにも植えられました。日本では北海道で、香料をとることを目的に昭和初期から栽培が始められました。学名のLavandulaは、Lavo(洗うという意味)やLiveo(青みがかった鉛色という意味)からきたといわれています。

 優れた鎮静作用があり、心と身体の両方を鎮静させてくれます。心の面では精神的なリラックス作用があり、眠れない夜に用いることができますし、身体の面では皮膚の炎症やかゆみなどに用いられます。こうした作用に加え、消毒殺菌、抗ウイルス作用などもあり、美容分野(スキンケア、ヘアケア)にもよく用いられます。また火傷の痛みをすぐ取り去り、皮膚の修復を助ける働きがあります。筋肉痛、各種の感染症にも有効です。ラベンダーには不快なにおいを抑える作用などいろいろ働きが期待できます。また自律神経のバランスをとったり、身体全体の免疫力をあげる効果があるといわれています。

 

⑥ローズマリー

学名 Rosmarinus officinalis ロスマリヌス・オフィキナリス

科名 シソ科

産地 フランス、チュニジア、スペイン、ポルトガル、イタリア、モロッコ、アメリカ

植物学的特徴 1m/常緑樹

抽出部位 葉

抽出方法 水蒸気蒸留法

主な成分 1,8シネオール、カンファー、ボルネオール、酢酸ボルニル、β-カリオフィレン

主な作用 刺激作用、頭脳明晰作用、発汗作用、利尿作用、収斂作用

付記事項 「海のしずく」「マリア様のバラ」ハンガリアンウォーター、癲癇患者や妊婦への使用は控える。

ローズマリーは背の低い常緑樹で、強い樟脳のような香りをもつハーブの一種です。学名の“Rosmarinus”とは「海のしずく」という意味です。また、マリー(マリア様)とローズ(バラ)を合わせて、「マリア様のバラ」というニックネームもあります。

 ローズマリーは心身の感覚を目覚めさせ、刺激作用や頭脳明晰化作用があります。精神的な過労や無気力、記憶力減退の改善に役立ちます。血液の循環を促し、発汗作用、利尿作用があるので老廃物を除去します。筋肉痛、通風、リウマチ痛などを緩和するといわれており、若返りで有名なハンガリアンウォーターの主要成分として用いられました。またスキンケア用としても有益で収斂作用があり、肌を引き締め、脂性肌に効果があります。

 

⑦パチュリ

学名 Pogostemon cablin ポゴステモン・カブリン/Pogostemon patchouli ポゴステモン・パチュリ

科名 シソ科

産地 インド、マレーシア、ミャンマー、パラグアイ、インドネシア

植物学的特徴 1m/多年草

抽出部位 葉

抽出方法 水蒸気蒸留法

主な成分 パチュリアルコール、パチュレン、クミンアルデヒド、オイゲノール

香りの特徴 墨汁のようなスモーキーな香り

主な作用 鎮静作用、食欲抑制作用 香りの保留剤

 

墨汁を思わせる、スモーキーな落ち着いた香りは感情のバランスをとり、鎮静させ、イライラによる過剰な食欲を抑制する働きがあります。パチュリを他の精油に加えることにより、香りを長く保つことができます。

 

【ミカン科】5種

①オレンジ・スイート

学名 Citrus sinensis キトルス・シネンシス

科名 ミカン科

産地 イタリア、イスラエル、アメリカ、フランス、スペイン、ブラジル、オーストラリア

植物学的特徴 5m/常緑樹

抽出部位 果皮

抽出方法 圧搾法

主な成分 リモネン、リナロール、シトラール、オクタナール、デカナール

香りの特徴 フレッシュな甘い香り

主な作用 鎮静作用、解毒作用、強壮作用、健胃作用

付記事項 ミカンの仲間、オレンジの皮を圧搾して採った精油です。気持ちをリラックスさせ、小春日和の太陽や暖かい暖炉のようなイメージを私たちに与えてくれます。ヨーロッパでは、クリスマス時期の香りとして、シナモンと一緒に使われます。日本でいえば、コタツに入ってミカンでも、といったところでしょうか。

 オレンジのフレッシュな香りはリラックスとリフレッシュ感をもたらすとともに人と人との間の問題からくるさまざまな症状(神経性の胃痛や下痢など)を緩和して食欲を促し、生きる力を与えてくれます。リラックスとリフレッシュ両方の作用がある。

 

②レモン

学名 Citrus limon キトルス・リモン 

科名 ミカン科

産地 アメリカ、イタリア、スペイン、南アフリカ、イスラエル、ブラジル、ギニア

植物学的特徴 7m/常緑樹・トゲ

抽出部位 果皮

抽出方法 圧搾法

主な成分 リモネン、シトラール、オクタナール、リナロール

香りの特徴 フレッシュな柑橘系の香り

主な作用 消毒殺菌作用、収斂作用、解毒作用

付記事項 光毒性、優れた消毒殺菌効果。O-157

レモンの皮から圧搾して採った精油です。フレッシュな香りは、気分転換や気持ちの切り替えを通じて、心に明確さと理解力、集中力を与えてくれ、精神疲労からくる頭痛や身体の不調を癒してくれます。また消毒殺菌効果に優れているので、吸入したり部屋に香りを漂わせることで、室内浄化や感染症の予防に用いられています。

 

③グレープフルーツ

学名 Citrus paradesi キトルス・パラディッシ

科名 ミカン科

産地 アメリカ、イスラエル、ブラジル

植物学的特徴 5~10m/常緑樹

抽出部位 果皮

抽出方法 圧搾法

主な成分 リモネン、ヌートカトン

香りの特徴 すっきりとして苦味のある香り

主な作用 収斂作用、殺菌作用、強壮作用

付記事項 光毒性があるので、使用後に肌に強い紫外線にさらさないようにしましょう。

 

 さわやかですっきりとした中にも、苦味と力強さのある香りは、精神を鋭敏にし、開放し、安定させ、積極性と実行力をつけてくれます。摂食障害の心理的原因を穏やかに解きほぐし、生きる意欲と、食べる楽しみを見つける手助けになってくれます。リンパ系を刺激し、体内の水分滞留の解消に役に立ってくれるので、肥満やセリュライト解消にもよいでしょう。また、肌にはりをもたせ、血行を促進させます。ベルガモットほどではありませんが、やはり光毒性に注意が必要です。使いすぎると肌に刺激があるので、使用量には注意しましょう。

 

④ベルガモット

学名 Citrus bergamia キトルス・ベルガミア 

科名 ミカン科

産地 イタリア、モロッコ、チュニジア、ギニア

植物学的特徴 4m/常緑樹

抽出部位 果皮

抽出方法 圧搾法

主な成分 酢酸リナリル、リモネン、リナロール、ベルガプテン、ベルガモテン

香りの特徴 すがすがしい香り

主な作用 鎮静作用、食欲増進作用、消毒作用、抗うつ作用

付記事項 光毒性

すがすがしいベルガモットの香りは、リフレッシュ作用により心身の疲労およびそれに伴う食欲不振を改善します。また不安やうつ、それに伴う不眠などの緩和に役立ちます。ベルガプテンなどの成分を含んでおり、光毒性に注意が必要です。

 

⑤ネロリ

学名 Citrus aurantium キトルス・アウランティウム

科名 ミカンモ科

産地 イタリア、フランス、モロッコ、チュニジア

植物学的特徴 5m/常緑樹

抽出部位 花

抽出方法 水蒸気蒸留法

主な成分 リナロール、酢酸リナリル、リモネン、ネロール、ネロリドール、ゲラニオール

香りの特徴 フレッシュでフローラルな香り

主な作用 抗うつ作用、鎮静作用、抗菌作用、細胞成長促進作用

付記事項 オレンジフラワーウォーター

ネロリは、ビターオレンジ(オレンジ・スイートとは別種)の花から抽出した精油です。精油ともに得られる芳香蒸留水をオレンジフラワーウォーターと呼びます。この精油の香りは心を鎮め、リラックスさせ、精神的なショックを和らげます。またスキンケア効果に優れるため、老化した肌や妊娠線予防によく用いられます。

 

【バラ科】2種

①ローズアブソリュート

学名 Rosa centifolia ロサ・ケンティフォリア/Rosa damascena ロサ・ダマスケナ

科名 バラ科

産地 ブルガリア、モロッコ、トルコ、フランス

植物学的特徴 低木

抽出部位 花

抽出方法 揮発性有機溶剤抽出法

主な成分 フェニルエチルアルコール、シトロネロール、ゲラニオール、ネロール

主な作用 緩和作用、高揚作用

付記事項 フェニルエチルアルコールが高濃度に含有。

誰からも愛されるすばらしい香りのバラのアブソリュートは、主に精神的な領域で多く使われます。精神面に対する緩和作用と高揚作用により、情緒不安定になっているときや自分に自信を失っているときなどに心の安定と安らぎを与えてくれます。たくさんの花から、わずかな量しかとれないので、大変高価な精油です。

 

②ローズオットー

学名 Rosa damascena ロサ・ダマスケナ

科名 バラ科

産地 ブルガリア、モロッコ、トルコ、フランス

植物学的特徴 低木

抽出部位 花

抽出方法 水蒸気蒸留法

主な成分 シトロネロール、ゲラニオール、フェニルエチルアルコール、ネロール、ダマスコン

主な作用 鎮静作用、強壮作用、子宮強壮作用、抗うつ作用、収斂作用

付記事項 低温で固まる。芳香蒸留水(ローズウォーター)

バラのうっとりとした甘い香りは、深く心の奥に入っていき、情緒を和らげ、心を明るく高揚させ、神経のストレスと緊張を和らげます。また月経前の深いな症状や、月経痛を緩和してくれます。スキンケアに有効な成分を多く含むので肌を引き締め、きめを整え、はりをもたせ、炎症を鎮めてくれます。たくさんの花から、わずかな量としかとれないので、大変高価な精油です。この精油は、低温で固まる性質をもっています。その際は、手で少し温めると液体に戻ります。

 

【ヒノキ科】2種

①サイプレス

学名 Cupressus sempervirens クプレッスス・センペルウィレンス

科名 ヒノキ科

産地 フランス、モロッコ、ドイツ、スペイン、イタリア、インド

植物学的特徴 針葉樹

抽出部位 葉、果実

抽出方法 水蒸気蒸留法

主な成分 α-ピネン、δ-3-カレン、γ-カジネン

香りの特徴 すっきりとしウッディーな香り

主な作用 収斂作用、ホルモン調節作用

付記事項 針葉樹独特のすっきりとリフレッシュさせるウッディー調の香りです。精神を浄化し、心に落ち着きを与え、ヒステリーやいらいら、怒りを鎮めます。

 収斂作用と体液バランスをとる働きにより皮膚のたるみ、毛穴の開きすぎや皮脂分泌過多、赤ら顔のスキンケアに用いられます。また、ホルモンバランスや月経周期を整えます。

 

②ジュニパー

学名 Juniperus communis ユニペルス・コンムニス

科名 ヒノキ科

産地 ハンガリー、フランス、イタリア、カナダ、クロアチア、オーストリア、インド

植物学的特徴 針葉樹

抽出部位 果実

抽出方法 水蒸気蒸留法

主な成分 α-ピネン、カンフェン、サビネン、テルピネン-4-オール

香りの特徴 お酒のジン特有の香り

主な作用 利尿作用、頭脳明晰作用、収斂作用、解毒作用、発汗作用

付記事項 ジンの香りづけ。妊婦の使用は避ける。

「ジン」特有のあの香りは、じつはジュニパーの香りなのです。ジュニパーはヒノキ科の針葉樹で、直径5~8mm程度の黒くて小さな柔らかい実をつけます。この実はジュニパーベリーといわれ、精油のジュニパーはこのジュニパーベリーを蒸留して抽出します。精油は発汗を促し、尿を排出するなどの作用があり、体内の毒素を身体の外に追い出すという性質を持っているといわれています。

 この香りは頭脳明晰作用があり、精神の目覚め、意欲を促し集中力を増してくれます。また、排泄を促すことによって、新陳代謝を促し、身体の機能を活発に高め、身体を浄化し温めて整えます。浮腫(むくみ)をとり、授乳中で排尿が滞っている人の母乳過多のバランスをとります。また筋肉痛や関節痛、月経痛などを緩和します。肌へは収斂作用を通じて、脂性肌、浸出性の湿疹、にきびを緩和してくれます。

 

【イネ科】2種

①ベチバー

学名 Vetiveria zizanioides ウェティウェリア・ジザニオイデス

科名 イネ科

産地 インド、タヒチ、ハイチ、インドネシア、エルサルバドル、中国

植物学的特徴 2m/多年草

抽出部位 根

抽出方法 水蒸気蒸留法

主な成分 ベチベロール、ベチボン、ベチベロン、ベチベン

香りの特徴 土のようなスモーキーな香り

主な作用 鎮静作用、血液循環促進作用

付記事項 土を連想させる、スモーキーな香りです。ベチバーを他の精油に加えることにより、香りを長く持続させることができます。鎮静作用があり、深くリラックスさせる働きがあります。また血液循環を活発にし、スキンケアや筋肉痛、疲労回復に役立ちます。

 

②レモングラス

学名 Cymbopogon citratus キンボポゴン・キトラトゥス(西インド型)/Cymbopogon flexuosus キンボポゴン・フレクスオスス(東インド型)

科名  イネ科

産地 インド、ブラジル、西インド諸島、スリランカ、中国、グァテマラ、ネパール

植物学的特徴 2m/多年草

抽出部位 葉

抽出方法 水蒸気蒸留法

主な成分 西インド型/シトラール、ミルセン、メチルヘプテノン

東インド型/シトラール、メチルヘプテノン、ネロール、ゲラニオール

香りの特徴 レモンのような香り

主な作用 抗うつ作用、防虫作用、消炎作用、抗真菌作用

付記事項 皮膚刺激を引き起こすことがありますので、使用にあたっては1%を上限とし、それ以下の低濃度から始めてください。鮮烈なレモンのような香りで、心に元気を与えてくれます。食欲増進やストレス解消にもよいでしょう。また筋肉の炎症や痛みをとってくれるので、スポーツの後などの疲労回復や肩こり、神経痛に役立ちます。虫が忌避するシトラールを含むので虫除けにもよく使われます。シトラールなどの成分は、敏感な肌に刺激を与えることがあるので注意して使用してください。

 

【キク科】

①カモミール・ジャーマン

学名 Matricaria chamomilla マトリカリア・カモミーラ

科名 キク科

産地 ドイツ、フランス、モロッコ、ハンガリー、エジプト

植物学的特徴 20~50cm/一年草

抽出部位 花

抽出方法 水蒸気蒸留法

主な成分 カマズレン、ビサボロール誘導体、ビサボレン誘導体

香りの特徴 フルーティーで甘い草の香り

主な作用 抗炎症作用、抗アレルギー作用

付記事項 カモミール・ジャーマンは20~50cmの高さの一年草です。ハーブティとしては、こちらのほうがカモミール・ローマンよりなじみがあるでしょう。蒸留すると濃いブルーの精油となります。カマズレンの抗炎症作用、抗アレルギー作用が特徴です。皮膚の炎症や子供の不調の改善によく使われます。

 

②カモミール・ローマン

学名 Anthemis nobilis アンテミス・ノビリス

科名 キク科

産地 ドイツ、フランス、モロッコ、ハンガリー、エジプト

植物学的特徴 50cm/多年草

抽出部位 花

抽出方法 水蒸気蒸留法

主な成分 アンゲリカ酸エステル類、カマズレン

香りの特徴 りんごを思わせる香り

主な作用 鎮静作用、鎮痛作用、駆風作用、鎮痙作用

付記事項 可憐な印象の中にもしっかりとした自己主張のある強さをもった香りです。ハーブティーにすると少し苦味のある多年草です。子供を守る母のように、心を穏やかにし安らかな眠りへと導き、耳の痛み、歯が生える痛み、緊張からくる頭痛、腹痛を和らげます。また不安、緊張、怒り、恐怖の念を和らげ、月経周期を整え、月経前の不快な症状を和らげるなど女性特有のさまざまな症状を緩和します。

 

 

【フトモモ科】2種

①ティートリー

学名 Melaleuca alternifolia メラレウカ・アルテルニフォリア

科名 フトモモ科

産地 オーストラリア、ジンバブエ

植物学的特徴 7m/常緑樹

抽出部位 葉

抽出方法 水蒸気蒸留法

主な成分 テルピネン-4-オール、γ-テルピネン、1,8シネオール

香りの特徴 フレッシュなカンファーの強い香り

主な作用 去痰作用、免疫賦活作用、殺菌作用

付記事項 まれに皮膚刺激を引き起こすことがありますので、使用にあたっては1%を上限とし、それ以下の濃度から始める。

オーストラリア原産の常緑の低木または高木で、湖沼の土手などに多く見られる植物です。「お茶の木」ではないのですが、葉を乾燥させてお茶にすることもできます。離れたところからも香りが風に乗って漂ってくるほど、強い香りをもつ植物で、オーストラリアの先住民族が古くから傷薬として用いていました。強い殺菌力を得られており、感染症の初期症状や予防にもよいといわれています。

 殺菌作用により、さまざまな感染症を予防またはその症状を和らげる効果があります。またリフレッシュ効果もあり、精神的な落ち込みに対処します。

 

②ユーカリ

学名 Eucalyptus globulus エウカリプトゥス・グロブルス 

科名 フトモモ科

産地 オーストラリア、スペイン、中国、南アフリカ

植物学的特徴 20~50cm/多年草

抽出部位 葉

抽出方法 水蒸気蒸留法

主な成分 1,8シネオール、α-ピネン

香りの特徴 清涼感のある香り

主な作用 殺菌作用、抗ウイルス作用、消炎作用、鎮痛作用

付記事項 1,8シネオールが高濃度に含まれているので、刺激に注意しましょう。

ユーカリにはたくさんの種類があります。成長力が旺盛で生命力豊かな植物です。アロマテラピーの精油としてよく用いられるものは数種類ですが、その中でも上記の学名グロブルス種のものが一般的です。ユーカリは殺菌力が強くティートリーと共通の特性をもっていますが、比較的清涼感のある香りですので、室内香としても適しています。

さわやかなすっきりとした香りは、意識を明晰にし、集中力を促します。抗ウイルス作用、殺菌作用、消炎作用、鎮痛作用に優れているので、花粉症や風邪による鼻水、痰、せき症状の軽減やのどの痛み、各種の感染症に有効です。また筋肉痛、打撲の痛みを和らげ治癒を早める効果もあります。

 

【カンラン科】2種

①ミルラ(マー/没薬)

学名 Commiphora myrrha コンミフォラ・ミルラ/Commiphora abyssinica コンミフォラ・アビッシニカ 

科名 カンラン科

産地 エジプト、ソマリア、モロッコ、エチオピア、エリトリア

植物学的特徴 3m/常緑樹

抽出部位 樹脂

抽出方法 水蒸気蒸留法

主な成分 クミンアルデヒド、リモネン、α-ピネン、オイゲノール

香りの特徴 樹脂系の香り

主な作用 殺菌作用、鎮静作用

付記事項 キリストの誕生、古代エジプトのミイラ

ミルラは古代の世界で広く使用されました。古代エジプト人は優れた殺菌作用を利用しミルラをミイラづくりに使用しました。新約聖書のイエス・キリスト誕生物語の中で、乳香とともにささげられた香りとしても有名です。ミルラは気分を落ち着かせ、精神を研ぎ澄ます作用があるといわれています。

 

②フランキンセンス(オリバナム/乳香)

学名 Boswellia carterii ボスウェリア・カルテリイ/Boswellia thurifera ボスウェリア・トゥリフェラ

科名 カンラン科

産地 ソマリア、エチオピア、イラン、レバノン、エジプト、スーダン、フランス、アラビア

植物学的特徴 10m/常緑樹

抽出部位 樹脂

抽出方法 水蒸気蒸留法

主な成分 α-ピネン、リモネン、P-シメン、ボルネオール

香りの特徴 スパイシーな樹脂系の香り

主な作用 浄化作用、抗菌作用、収斂作用、細胞成長促進作用、鎮静作用

付記事項 宗教儀式、キリストの誕生

 古代から珍重されていた精油で、宗教的な儀式の場で用いられてきました。新約聖書のイエス・キリスト誕生物語の中で没薬とともにささげられた香りとして有名です。心と身体の浄化に役立ち、呼吸をゆっくりとさせ心を慰め、不安や強迫観念を和らげてくれます。抗菌作用による呼吸器への作用と収斂作用や皮膚細胞の再生を促す作用などにより、しわやたるみを改善するなど肌への効果がよく知られています。

 

【エゴノキ科】

ベンゾイン(安息香)

学名 Styrax benzoin スティラクス・ベンゾイン(スマトラ)/

Styrax tonkinensis スティラクス・トンキネンシス(シャム)

科名 エゴノキ科

産地 タイ、インドネシア、ベトナム、ラオス

植物学的特徴 15~20m/落葉樹

抽出部位 樹脂

抽出方法 揮発性有機溶剤抽出法

主な成分 スマトラ安息香/ケイ皮酸エステル、バニリン

     シャム安息香/安息香酸エステル、バニリン

香りの特徴 甘い香り

主な作用 鎮静作用、皮膚軟化作用 

 

ベンゾインの甘い香りは、心を穏やかにし緊張した神経を鎮めます。また固くなった肌を柔軟にするため、かかとやひざ、ひじなどの部分的なスキンケアに用いられます。

 

【モクセイ科】

ジャスミンアブソリュート

学名 Jasminum officinable ヤスミヌム・オフィキナレ/

Jasminum grandiflorum ヤスミヌム・グランディフロルム

科名 モクセイ科

産地 アルジェリア、モロッコ、エジプト、イタリア、フランス、インド

植物学的特徴 2m/常緑樹

抽出部位 花

抽出方法 揮発性有機溶剤抽出法

主な成分 酢酸ベンジル、酢酸フィティル、フィトール、cis-ジャスモン

香りの特徴 濃厚な花の香り

主な作用 鎮静作用、抗うつ作用、子宮強壮作用、催乳作用

付記事項 香りが強いので使用量に注意。

 

情緒に深く作用し、感情の混乱からくる不安を和らげ、自分自身を取り戻させます。落ち込んだときや深い悲しみのときに助けにもなってくれるでしょう。また、マタニティ・ブルーのお母さんには、分娩後のブルーな気持ちを引き上げ、子宮の強壮作用や催乳作用によって、心身の回復を手伝い、穏やかに赤ちゃんと心を通わせることができるように助けてくれます。皮膚に対しても心理的側面からのサポートとともに、炎症を抑え、整えてくれます。ただし、アブソリュートですので、有機溶剤に敏感な方は、パッチテストなどをしてから用いてください。たくさんの花からわずかな精油しかとれないので非常に高価です。

 

 

【フウロソウ科】

ゼラニウム

学名 Pelargonium graveolens ペラルゴニウム・グラウェオレンス/

Pelargonium odoratissimum ペラルゴニウム・オドラティッシムム

科名 フウロソウ科

産地 フランス、仏領レユニオン島、スペイン、モロッコ、エジプト

植物学的特徴 80cm/常緑・多年草

抽出部位 葉

抽出方法 水蒸気蒸留法

主な成分 シトロネロール、ゲラニオール、リナロール、メントン

香りの特徴 甘くやさしい香り

主な作用 鎮痛作用、抗うつ作用、鎮静作用、ホルモン調整作用

付記事項 バラの代用として使用。精神と肉体のリズムのバランスを整え、不安とうつを鎮め、精神を明るく高揚させる傾向にあります。また心身の緊張による情緒不安定を癒し、ストレスを和らげてくれます。特に内分泌系(ホルモン分泌)調整作用に優れていて生理のリズムの乱れを整えるためや、月経痛の不快な症状や月経痛、更年期障害を和らげるためによく用いられてきました。またむくみを改善する働きがあります。スキンケアにもよく用いられます。

 

【バンレイシ科】

イランイラン

学名 Cananga odorata カナンガ・オドラタ

科名 バンレイシ科

産地 インドネシア、コモロ、フィリピン、マダガスカル

植物学的特徴 15m/常緑樹

抽出部位 花

抽出方法 水蒸気蒸留法

主な成分 リナロール、ゲラニオール、酢酸ベンジル、安息香酸メチルなど

香りの特徴 エキゾチックな温かみのある香り

主な作用 鎮静作用、収斂作用、催淫作用

付記事項 香りが強いので、薄めて使用

熱帯の気候に育つこの植物は、一見何の変哲もない樹木です。人の背丈くらいの低いものから、10m以上にまで成長します。遠くからも香りを感じることができ、風に乗って香りが運ばれてきます。いかにもエキゾチックな南国を感じさせる温かみのある香りで、心をうきうきと快活にさせてくれます。このためか、イランイランの名は「花の中の花」という意味を持っているのです。好き嫌いのはっきりする香りですが、この香りに惹かれる人にはやみつきになる香りです。とても強い香りですので、十分に薄めて使うことがポイントです。うっとりとする甘い香りは人をおおらかな気持ちにさせてくれ、日常のストレス、イライラを鎮めてくれるでしょう。本来の女性性を解き放ち、喜びや官能的な高揚感、安心感、受容性を与えてくれます。精神を緩め、過度の緊張からくる過呼吸と、過度に速い心拍をスローダウンさせます。皮脂分泌のバランスをとる作用や収斂作用があるので、脂性肌のスキンケアや頭皮、毛髪のケアにも用いられます。濃厚な香りなので、過度に用いると、頭痛や吐き気に襲われることがあるので注意してください。

 

【コショウ科】

ブラックペッパー

学名 Piper nigrum ピペル・ニグルム

科名 コショウ科

産地 インド、マレーシア、マダカスカル

植物学的特徴 6m/低木

抽出部位 果実

抽出方法 水蒸気蒸留法

主な成分 β-カリオフィレン、α-ピネン、ファルネセン、リモネン

香りの特徴 スパイシーで温かな香り

主な作用 刺激作用、血行促進作用、発汗作用、強壮作用

付記事項 まれに皮膚刺激を引き起こすことがありますので、使用にあたっては1%を上限とし、それ以下の低濃度から初めてください。

ブラックペッパーの刺激作用は血行を促し、消化機能を整えて全身の活動力を高めます。発汗による全身の浄化やスポーツ後の筋肉痛に役立ちます。強い香りをもつ精油ですので濃度には十分注意が必要です。

 

 

【ビャクダン科】

サンダルウッド

学名 Santalum album サンタルム・アルブム

科名 ビャクダン科

産地 インド、インドネシア、パラグアイ、ニューカレドニア

植物学的特徴 15m/常緑樹

抽出部位 心材

抽出方法 水蒸気蒸留法

主な成分 サンタロール、サンタレン、サンテノン

香りの特徴 深みのある香り

主な作用 鎮静作用、強壮作用、消毒殺菌作用、抗炎症作用

付記事項 宗教儀式、瞑想

 

サンダルウッドの深みのあるすばらしい香りは、深いリラックスを導く作用から、宗教儀式や瞑想に、また肌を柔らかくして、ひきしめる効果により、化粧用としても古代から用いられてきました。泌尿器に対する強壮作用と消毒殺菌作用から、身体の強壮薬として、また呼吸器に対する抗炎症作用によりのどの炎症を緩和することから、声がれや咳のときにも用いられてきました。膀胱炎などにもよいといわれています。